間取りアドバイス 間取り診断

家相は重視するべき?

家相って大切なの?
もともと家相は占いのようなものではなく、中国からやってきた「環境学」だといわれます。

 

そして日本での家相の考え方は江戸時代に発達したようです。

 

現代の若い世代にとってはなかなかつかみどころのないものですよね。
家相や風水の本って少しずつ書いてあることが違ったり…。

 

けれども、建築主ご本人だけではなく、その親御さんや親戚などに家相を重視される方がいる場合は、間取りに大きく影響を与えることがあります。

 

家の設計段階で、「家相は気にされますか?」と設計士さんから尋ねられることがあると思います。
これは、家相が間取りに与える影響が大きいから、手戻りがないように確認されているのです。

 

家相を考えだしたら、家づくりの計画が振り出しに…。

 

家を建てる際には様々な計画が必要です。

 

・敷地の条件を調べる

 

・家族構成や暮らし方、どんな生活がしたいかを見極める

 

・外構含め、最適な部屋の配置をゾーンで決める

 

・動線計画、居室や収納の計画

 

・耐震計画(耐力壁の配置)など 法令クリア

 

・断面や立面の決定

 

と、様々なステップを踏んで間取りが出来上がってきたのにもかかわらず、周囲の人から「家相が悪い」の一言で平面計画がふりだしに戻ってしまう、なんていうことが実際にあります。

 

鬼門の玄関がダメだといわれて、ではその玄関を他の位置に持っていけば良いかというと、そうではありませんよね。
そこにつながる廊下や、居室の配置すべてに影響を与えてしまいます。

 

間取りの大きな修正があれば、設計の手戻りになり、確認申請も出せないので工期がどんどん遅れていきます。

 

都市計画法や建築基準法などの法令や耐震計算など、守らなくてはならないものであれば当然守りますが、
データでもなんでもない不確かなものに間取りをひっくり返されるとパニックになってしまいますよね。
家相って大切なの?

 

 

家相は、気にする人は気にするけれど、気にしない人は全く気にしないものです。
家相には当然強制力なんてないので、取り入れなくても違反にはなりませんし、どうということはありません。

 

それではなぜ、いまだに重視されているのでしょうか。

 

家相の意味するものは…

例えば、家相でよくいわれる内容でこんなものがあります。

 

・建物の張り出しや欠けに注意
建物は、やはり長方形のような整形なものがバランスが良く、地震に強いというのは確かです。
出っ張りや欠けがあると、その部分や別の部分に大きな力がかかって壊れやすいということもあり、昔は「張り」や「欠け」は建物のバランスに大きく影響していました。
※現代では、壁のバランスなどは構造計算や壁量計算でしっかり数字的に対処できるので大丈夫です。

 

 

・鬼門・裏鬼門に玄関や水回りはNG
例えば、北東の鬼門の位置は日当たりが悪く、とても冷えやすい場所です。
そのような場所に浴室があれば、寒暖差によるヒートショックが起こりやすくなります。また日当たりが悪くジメジメしてカビが生えやすい、ということもあります。

 

※現代では、気密・断熱がしっかりしており、浴室暖房や換気設備などでもカバーできるので実際は問題ないと思います。

 

 

・裏鬼門に台所はNG
これは、夏場に南西方向からの日差しが当たると気温が上昇しやすく、食べ物が腐敗しやすいということもあります。

 

※これもエアコンなどで温度をコントロールできる今は大丈夫です。

 

上記はほんの一部ですが、
このように、家相はおそらく江戸時代には生活の知恵であり、意味のあることだったと思います。
けれども現代の建物では、それを補い解決できる技術があるので問題ないでしょう。

 

周りの人が家相を気にする?気にしない?は早めに知っておく

家相って大切なの?
建築学的にいえばあまり意味のない家相ですが、信じている方にとっては最重要ともいえる大切なことです。

 

例えば、
・二世帯住宅を建てる場合に、親世帯が家相を気にするなら、多くの場合子世帯も影響を受けます。

 

・親の敷地に家を建てる、親に家の資金を援助してもらう、なんていう場合も、親御さんや親戚の意見は大きいので、ぜひ設計が進む前に計画段階で相談されることをおすすめ致します。

 

もちろん、自分も周りも、家相は気にしないという場合は省いて大丈夫です。

 

 

家相は建築学で必須の内容ではない

 

ちなみに、
住宅建築にとって家相がとても重要な事柄なのであれば、建築士などの国家資格の試験の際に出題される必修事項となっているはずです。

 

しかし、二級建築士や一級建築士の筆記試験・設計を受ける上で、「家相」の科目はありません。
建築士が知っておくべき最低限の知識は「計画、法規、施工、構造」であり、この中に「家相」はないのです。

 

もちろん、家相が悪いから設計の試験で落とされる、なんてこともありません。

 

このように、国家資格を持つ建築のプロが家相を知らなくてもいい、
ということは、現代の建築においてそれほど重視されているとはとても思えません。

 

現代では家相を知らなくても十分良い家は作れるし、家相の考え方をカバーする施工方法や技術がある、 ということではないかと私は思います。

 

 

それでも、家相が気になる場合は…

家相を重視する人とそうでない人が対立する、ということは今後の生活を考えてもあまり望ましいことではないはずです。

 

なので、間取りが固まってからではなく、ぜひ初めの計画段階で相談に行き、何を重視すれば良いのかを知り、どうやってクリアするかを設計士さんと一緒に考えていくのが良いかと思います。

 

間取り相談、受付中!
本当にこの間取りでいいの?とお悩みの方は、一級建築士に相談してみませんか?
お早めに間取り相談をご利用ください。

page top