間取りアドバイス 間取り診断

風通しの良い家をつくるには

風通しの良い家を作るには
間取りを見させていただく中で「風通しが良い家をつくりたい」というご希望はとても多いです。

 

せっかく家をつくるのだから冷房ばかりに頼るのではなく、自然の風を家の中に入れて心地よい空気を感じながら暮らしたいと思われる方が多いのだと思います。
風通しが良く空気が流れていることは、家そのもののためにも良いですね。

 

風通しの良い家を、間取りで実現するにはどうしたら良いのでしょうか。

 

それは、空気の入口と出口を作るということです。

 

具体的には2か所の窓を設けると良いです。
風通しの良い家を作るには

 

同じ壁面に2か所ではなく、できれば対角線上の壁に2か所の窓を設けるとお部屋全体の空気が動きやすくなります。

 

2つの窓が同じ高さではなく高低差があると、より風通しが良くなるでしょう。

 

 

開閉できる天窓もおすすめ

部屋のレイアウトの関係で、窓がひとつしか付けられないという場合は、トップライト(天窓)を検討してみましょう。

 

開け閉めのできるトップライトであれば、煙突効果で空気が上に抜けて行きますので、こもった暑い空気などはすぐに出て行ってくれます。

 

例えば、暑くなりやすい2階でも、ホールに開閉できるトップライトを設けておき、2階の個室の窓を開けておけば全体の空気が吸い上げられてスーッと風が抜けていきます。

 

窓からの明かりが届かず暗くなりやすい廊下やホールにも、上部からの光を取ることができるのでおすすめですよ。

 

出来れば、収納にも換気を。

昨今では、大きめのシューズクロークやウォークインクローゼットを設けるお宅も
増えていますが、1日履いた靴や、傘などを収納するシューズクロークでは、かなりの湿気や臭いがこもりやすくなります。

 

できれば開口部を設け、換気扇を付けるなどして強制的に空気を動かせるようにしましょう。この場合、防犯面からみて小さな窓のほうが安心です。
風通しの良い家を作るには

 

住宅密集地では中庭も有効

都会の住宅密集地では、隣家の視線などが気になり外に向かって大きな開口部を取れないこともあります。
お隣との間の距離が1mにも満たないような壁面で大きく開口をとっても、あまり通風は見込めないでしょう。

 

そんな場合は、中庭を設けて、各部屋の開口部を中庭側に開くようにするのも効果的です。
中庭が煙突のようになり上昇気流が生まれ、各部屋の空気が吸い上げられて風通しが良くなります。

 

機械的に空気を動かす

四季がある日本では、1年をとおして温度や湿度の差が大きいものです。

 

最適な位置に開口部を設計できたとしても、実際には真夏(7月から9月頃)や、冬の間(11月から3月頃)は、窓を閉め切って冷房や暖房を入れて過ごすことが多いのではないでしょうか。

 

気密性の高い現代の住まいでは、窓を閉め切っていると二酸化炭素や水蒸気が部屋にたまって澱んできます。
そうしてたまった水蒸気は温度差で結露し、カビの原因になったり、家を腐食させる原因にもなります。

 

そういう時期に頼りになるのが「24時間換気」です。
24時間換気はもともとは 建材のホルムアルデヒドによるシックハウス対策として建築基準法で設置が定められた設備ですが、
シックハウスだけでなく、家そのものの空気を動かすのに一役買っています。

 

風通しの良い家を作るには

 

24時間換気を止めてしまっては無意味

 

24時間換気には
第1種、第2種、第3種と3通りの換気方法があります。

 

第1種換気とは…

部屋に空気を供給する「給気」と、部屋の空気を外に出す「排気」の両方を機械的に行う換気方法です。

 

イメージ↓

 

第1種換気

 

第2種換気とは…

第2種換気設備は、部屋に空気を供給する「給気」側を機械的に行い、排気は自然排気を行うシステムです。
部屋の圧を正圧にしておくシステムで、クリーンルームなどで使われ一般の住宅ではあまり採用されません。

 

イメージ↓
第2種換気

 

第3種換気とは…

空気を外に出す「排気」を機械的に行う方法で、キッチンやお風呂の換気扇と仕組みは同じです。
部屋が負圧になり空気を引っ張ることで空気を動かします。

 

イメージ↓
第3種換気

 

 

住宅においては第1種、または第3種の換気設備を採用することがほとんどなわけですが、施工の簡単さとコストの面から第3種換気設備を設置するビルダーさんがまだ多いのが現状です。

 

 

第3種換気は安くて設置がラク、メンテナンスも容易というメリットがあるのですが、外気をそのまま取り入れてしまう(温かい部屋の中に冷たい空気が入って来る、または冷房中の部屋に暑い空気が入ってくる)ので、不快に感じて運転を止めてしまうご家庭も少なくありません。

 

せっかくつけた設備なのに運転しないのでは無意味ですね。

 

 

その点、第1種換気は熱交換ができるので、部屋の温度を損なうことなく、給気を排気を自動的に行ってくれます。
つけっぱなしにしても暑さ寒さを感じたりすることなく、違和感がありません。
換気を付けていることすら忘れてしまう、けれども部屋の空気は常に動き、新鮮な空気に入れ替わっているということです。
風通しの良い家を作るには

 

間取りと換気設備の合わせ技がGood

このように、風通しの良い家というのは、間取りと換気設備の両面で行うと効果が高くなり、結果的に住む人にも、家自体にも優しい住まいになります。

 

窓を設けるだけでは出来ない換気を設備で補い、家の空気がよどみなく流れるようにしたいものですね。

 

間取り相談、受付中!
本当にこの間取りでいいの?とお悩みの方は、一級建築士に相談してみませんか?
お早めに間取り相談をご利用ください。

page top